中小企業にWebマーケティング専任者は必要?兼任でも成果を出せる体制のつくり方

中小企業にWebマーケティング専任者は必要?

2026年に公表された中小企業のマーケティング体制に関する調査では、複数名の専任部署がある企業は38.0%でした。
一方、「他業務と兼任している担当者がいる」は24.0%、「専任担当者が1名いる」は16.5%、「特定の担当者がいない」は20.0%となっています。

また、現在の体制に関する課題として、「人員・リソース不足」が42.0%、「マーケティング戦略の設計不足」が38.5%、「専門知識・ノウハウ不足」が37.0%に上りました。

つまり、中小企業が抱えている問題は、単純に専任者がいないことだけではありません。
人手、戦略、専門知識が同時に不足しているケースが多く、専任者を1人置くだけでは解決しない可能性があります。

専任者がいなくても、社内と外部の役割を整理し、優先順位を決めて進めれば、少しずつ知識と成果を積み上げられます。
反対に、専任者がいても、目的や判断基準が曖昧なまま1人に任せきれば、施策が作業化してしまいます。

専任か兼任かを決める前に、まず「成果につながる体制になっているか」を確認する必要があります。

「兼任」と「片手間」は違う

兼任で成果が出ないと、「やはり専任者でなければ無理だった」と考えがちです。
しかし、問題は兼任そのものではなく、実態が「片手間」になっていることかもしれません。

KikkAでは、成果が出る兼任と、成果が出にくい片手間の違いを、次のように考えています。

成果につながる兼任成果が出にくい片手間
目的何のために取り組むか、会社と担当者が理解している担当者だけに仕事が渡され、目的が共有されていない
優先順位追う数字と実施する施策が整理されている依頼された更新や作業を、その都度こなしている
時間Webマーケティングに向き合う時間が業務として確保されている本業が忙しくなると後回しになる
権限任された範囲で判断・実行できる毎回確認が必要で、施策が進まない
社内共有施策の理由や背景が経営者・関係部署にも伝わっているなぜ行うのか分からず、社内協力を得にくい
外部との関係自社と外部の役割が明確になっている分からないまま丸投げするか、担当者がすべて抱える

兼任でも、担当者本人と会社の理解がそろい、施策の理由や背景が関係者に共有されていれば、取り組みは前に進みます。

Webマーケティングでは、ホームページ、Web広告、SEO、SNS、アクセス解析など、取り組める施策が数多くあります。
すべてを同時に行おうとすると、専任者であっても時間が足りません。

まず必要なのは、「現在の事業課題に対して、何を優先するのか」を決めることです。

たとえば、問い合わせ数を増やすことが目的なのか、問い合わせ後の商談化率を改善したいのかによって、見るべき数字も取り組む施策も異なります。
担当者だけが数字を追うのではなく、経営者や関係部署も、施策の目的と背景を理解している状態をつくりましょう。
会社の理解がないままでは、ページの修正や営業情報の共有が後回しになり、担当者だけでは進められなくなります。

「通常業務の空いた時間にWebも見てほしい」という任せ方では、緊急度の高い本業が優先され、Web施策は止まりやすくなります。

必要な時間は企業の状況や外注範囲によって変わりますが、KikkAでは一つの目安として、週のうち1〜2日程度はWebマーケティングに使える状態が望ましいと考えています。
あわせて、担当者がどこまで判断できるのかを決めることも重要です。

会社の理念・方針・ビジョンは、経営者が示すべき上位の判断軸です。
そのうえで、実務に必要な権限を担当者へ渡すことで、当事者意識を持って施策に向き合いやすくなります。

社内担当者の重要な役割は、単にホームページを更新したり、広告レポートを確認したりすることではありません。
問い合わせ後の状況や営業現場の反応など、社内にしか分からない情報を集め、追うべきKPIに対して次の行動を考えることです。

日常業務はできるだけルーティン化し、次の施策を考える時間を残す必要があります。
「更新した」「会議をした」「レポートを受け取った」で終わらず、その結果から何が分かり、次に何を変えるのかまで考えることが、Web担当者の本来の仕事です。

兼任担当者は、Webマーケティングだけに時間を使えるわけではありません。
そのため外部パートナーには、広告運用や制作など一つの作業だけでなく、会社の状況を理解し、優先順位と役割分担を整理できる視点が求められます。

ただし、外部へすべて丸投げすればよいわけでもありません。
商品、顧客、営業現場、経営方針など、自社にしか分からないことは社内で持ち、専門性や実行リソースが必要な部分を外部に補ってもらう関係が理想です。

KikkAでは、担当者がいない場合や兼任体制の場合も、経営者・担当者と一緒に現状と優先順位を整理し、必要に応じて体制づくりから支援しています。

担当者がいない場合や兼任体制に対する具体的な支援内容は、以下のページでご紹介しています↓↓↓

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専任でも「1人に任せきり」は危険

ここまで、兼任でも成果を出すための条件を解説してきました。

ただし、これは専任者を1人置けば、すべて解決するという意味ではありません。
専任・兼任にかかわらず、Webマーケティングを1人だけに任せきると、次のような問題が起こる可能性があります。

  • 業務や判断基準が属人化する
  • 相談相手がおらず、担当者が孤立する
  • 1人の経験や得意分野に判断が偏る
  • 退職や異動によって施策が止まる
  • アカウントや過去のデータを引き継げないない

KikkAが実際に見た事例では、
広告などのアカウントが担当者個人のメールアドレスに紐づいており、その人の退職後にログインできなくなったことがありました。
既存のアカウントを引き継げず、一から作り直すことになっています。
こうしたトラブルは、担当者個人の能力ではなく、会社としての管理体制の問題です。

専任か兼任かにかかわらず、アカウント情報、議事録、業務内容、判断の経緯、外部パートナーとのやり取りは、会社として把握・共有しておく必要があります。

Webマーケティングを1人に任せきらないためには、主担当に加えて、副担当も業務に関わる体制が理想です。
2人ともWebマーケティングの専任者にする必要はありません。
主担当が中心となって施策を進めながら、副担当も業務内容や判断の経緯を把握している状態をつくります。
副担当は、単に主担当の作業を手伝う人ではありません。

こうした情報を共有し、必要なときに業務を引き継げる状態にしておく役割があります。
2人以上が関わることで、退職・休職・異動によってマーケティング活動が完全に止まるリスクを減らせます。
施策について相談できる相手ができるため、判断の偏りを防ぎ、実行のスピードを上げることにもつながります。

ただし、2人いることで責任の所在が曖昧になり、お互いに相手の判断を待ってしまう状態は避けなければなりません。

担当者それぞれのスキルや経験も踏まえて、主担当と副担当の立ち位置を明確にしましょう。

社内・外部・経営者の役割をどう分けるか

主担当と副担当を決めるだけでは、Webマーケティングの体制は完成しません。
事業の方針を示す経営者、社内の情報を集めて施策を進める担当者、専門性を補う外部パートナーが、それぞれの役割を持つことが重要です。

以下は、兼任担当者と外部パートナーで進める場合の一般的な役割分担例です。
実際には、社内の人員や担当者の経験、実施する施策に合わせて調整します。

役割主に担うこと
経営者・決裁者事業方針と優先順位を示す/予算を決める/担当者へ権限を渡す/一定数把握して任す/重要な意思決定を行う
社内の主担当社内情報を集める/KPIを確認する/営業や現場と連携する/外部パートナーとの窓口になる/施策を進行する
社内の副担当主担当の業務を把握する/会議や判断の記録を共有する/不在時に対応する/別の視点から施策を確認する
外部パートナー戦略を整理する/広告運用・分析・制作などの専門実務を担う/改善提案を行う/担当者の知識や判断を補う

ポイントは、外部パートナーが社内の代わりにすべてを決めるのでも、社内担当者が専門実務まですべて抱えるのでもないことです。

専任者を置くかどうかを、売上や広告予算だけで一律に決めることはできません。
KikkAが重要だと考えているのは、経営としてWebマーケティングを今後どこまで大きくしていきたいかです。

  • 取り組む業務領域が、広告やホームページ改善などに限定されている
  • 担当者に別の主要業務がある
  • 社内にまだ専門的な知識が少ない
  • 何を内製し、何を外注するか整理できていない
  • まず小さく取り組み、成果とノウハウを積み上げたい
  • 日常的に取り組む施策が増え、兼任では時間を確保できない
  • Web経由の問い合わせや売上が、事業の重要な割合を占めている
  • 複数の広告媒体・サイト・SNS・コンテンツを継続的に運用している
  • 将来的にマーケティング部署をつくり、人材を育てていきたい
  • Webマーケティングを経営戦略上の重要な機能として強化したい

特に、今後マーケティング部門を大きくしていくという経営意思がある場合は、専任化を検討する意味があります。
反対に、「兼任ではうまくいかなかったから、とりあえず専任者を1人採用する」という決め方では、現在の問題を新しい担当者へ移すだけになりかねません。

社内Web担当が兼任体制のまま問い合わせ・リード数が4倍に土台になった事例

株式会社ルーツ様(システム会社・従業員約30名)

支援前の状況
宿泊施設向けのITソリューションなどを手がける株式会社ルーツ様では、社内の担当者が別の業務と兼任しながら、外部会社とGoogle広告の運用を進めていました。
しかし、当時は見るべき数字や改善の判断基準が分からず、定例会や十分なレポート共有も行われていませんでした。
成果が出ず、社内にも知識やノウハウがほとんど残っていなかったことから、「自社はWebとの相性が悪いのではないか」と感じていたそうです。
KikkAが行った支援
KikkAでは、まず広告アカウント全体を見直しました。
さらに、BtoBの商談につながりやすいよう、同社の業態に合わせて問い合わせまでの導線を整備。
電話番号表示オプションも設定しました。
広告文についても、自社の強みをそのまま並べる内容から、これまでの実績や、依頼することでクライアントが得られるメリットを伝える内容へ変更しました。
こうした広告施策の改善に加え、社内で追うべき数字とPDCAの回し方を担当者と共有しました。
施策を代行するだけでなく、「何を見るのか」「なぜ改善するのか」「次に何を行うのか」を一緒に確認し、社内に理解と判断軸が残るように取り組みました。
その後の変化
KikkAとの取り組み開始から約4年が経過した現在も、担当者は兼任体制です。
それでも、月平均4〜5件だった問い合わせ・リード数は20〜30件へと増加。
支援前の4倍以上となり、Web経由のリードが会社全体の問い合わせの過半数を占める状態になりました
現在では、Webから獲得した問い合わせへの対応を起点に営業活動を進めるスタイルが社内に定着しています。

この事例から分かるのは、成果を決めるのは「専任か兼任か」だけではないということです。
会社と担当者が目的を理解し、見るべき数字と改善方法を共有できれば、兼任でもWebマーケティングを事業の仕組みとして育てていけます。

関連ページ:株式会社ルーツ様の支援事例

専任者を採用するか、社内の誰かに兼任してもらうか。
人を決めることから考え始めると、その人にどこまで任せるのかが曖昧になりやすくなります。

まずは、次の順番で整理してみてください。

Web広告を自社で理解・運用できる体制を段階的につくりたい場合は、以下の記事も参考にしてください↓↓↓

Web広告運用を内製化(インハウス)する方法|外注依存から脱却するためのステップと成功のポイント

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Webマーケティングの専任者を置けることは、中小企業にとって恵まれた体制です。
しかし、専任者がいなければ成果が出ないわけではありません。

兼任であっても、会社と担当者が目的を共有し、必要な時間と権限を確保し、社内外の役割を明確にすれば、成果につながる体制はつくれます。

反対に、専任者を1人置いてすべてを任せきると、属人化や孤立、退職時のリスクが生まれます。
理想は、主担当と副担当、経営者、外部パートナーがそれぞれの役割を持ち、知識と判断を会社に残していくことです。

「専任者を採用してから相談する」「兼任担当者を決めてから外注先を探す」と、先に決める必要はありません。

KikkAでは、現在の業務や社内体制を確認しながら、無理なく続けられるWebマーケティングの進め方を一緒に整理しています。

自社に合う担当体制が見えないときは

専任者を置くべきか、兼任のまま進められるのか、外部にどこまで任せるべきか。
判断に迷う場合は、現在の状況をお聞かせください。
自社に合った体制を考える段階からご相談いただけます。

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